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2017.01.23 » 5か月 前

[コラム]フットボールの未来 #01 大改革?どうなる今後のサッカー


大変革期は訪れるのか?オランダの大エースが掲げた試案

Van Basten20170123

驚きの改革案が連日メディアを賑わせている。その試案を披露したのは、かつてフランク・ライカールト氏、ルート・フリット氏らと共にオランダの黄金期を築いた、現在はFIFA技術部門の責任者を務めるマルコ・ファン・バステン氏だ。往年のサッカーファンであればまず知らない人はいないだろう。歴代でも屈指のFWとして知られるファン・バステン氏が挙げた改革案は、これまでのサッカーの常識を覆すものだった。私自身の見解も含めて、一つずつ見ていきたいと思う。

オフサイド廃止案

まずはオフサイド廃止案。実はこの案、ファン・バステン氏は以前からも度々口にしていたことで有名だ。同氏の見解では、「決定機、得点が増え、見応えのある展開となる」としているが、戦術の根本を覆すこの案には反対の声も多い。確かに、サッカーのルールを知らない人が試合を見たとき、最もわかりづらいのがこのオフサイドだと言われている。説明をされてもなかなかすぐには理解できないようだ。オフサイドがあるせいでサッカー観戦の敷居を高くしていると言えるかもしれないが…。

実際、廃止になってみて本当に見応えがあるのかどうかも疑問である。極端に言えばオフェンスの選手は常にゴール前に張り付いていてもいいので、ロングパス一辺倒の展開になるのではないか。ディフェンスも必然的にオフェンスの選手につかなくてはいけなくなるので、最終ラインは極端に下がり、両チームとも非常に間延びしてしまうだろう。そうなるとポジションも戦術もなくなる。そんな試合、見ていて面白いだろうか…。個人的には断固として反対である。この案に関しては今のところあまり賛同を得られていないようなので、現実的ではないのかもしれないが。

 シュートアウトの導入

続いては、シュートアウトに関してだ。現在は、引き分けのない試合で90分で決着がつかなければ延長戦、それでも決まらなければPK戦が導入されている。それらを廃止し、シュートアウトによって決着をつけようと言うのだ。これは、選手がゴール手前25メートルからドリブルをし、8秒以内にシュートをするというものだ。アイスホッケーでよく見られるシーンである。

実はこのシュートアウト、過去に導入されていたことがある。アメリカのメジャーリーグサッカーにおいては一時期実施されていたのだ。動画もあるのでぜひご覧いただきたい。もちろんこちらも賛否あるだろうが、キッカーにもキーパーにもPKより技術が求められるし、120分間も死闘を繰り広げた末にPKであっけなく決まってしまうよりもこちらの方がいいのではないかと私は思う。「決めて当然」と見られてしまいがちなPKに比べ選手へのプレッシャーもなくなり、技巧的や頭脳的なプレーが最後まで見られるのではないかという期待もある。

 オレンジカードの導入

次にオレンジカード。現在はイエローカードとレッドカードの2枚のみだが、これにオレンジカードを追加しようという案である。ラグビーには既に導入されているが、これは反則した選手に10分間の一時退場を命じるものである。確かに現在は2種類しかないため、イエローカードとレッドカードの線引きは度々議論されている。

では実際に、オレンジカードが導入されたらどうなるだろうか。10分間もの間一人少ない状態で戦うとなると、大きく戦局は変わるだろう。劣勢だったチームが一気に攻め立てる展開もあり得る。レッドカードはそうそう出るものではないが、オレンジカードとなると頻度もある程度は高くなるはず。エキサイティングな時間帯も必然的に増え、見応えはかなりあるように思う。英プレミアリーグ、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督も、ファン・バステン氏の一連の案には否定的であったが、このオレンジカード導入案に関しては、議論に値するとコメントしていた。ただ、更にジャッジの線引きが難しくなることが予想されるため、導入するためにはその部分を明確にしなければならないだろう。

 4クォーター制の導入

現在は前半、後半の、45分ハーフで行われているが、これを4クォーター制にしようというのだ。バスケットボールのルールがそれである。バスケットボールは1クォーター10分の計40分。第1クォーターと第2クォーター、第3クォーターと第4クォーターの間にそれぞれインターバルが2分間。そして第2クォーターと第3クォーターの間にハーフタイムとして10分もしくは15分間設けられている。サッカーは90分なので4つに分けるとなるとどういう配分にするのか協議が必要だが、これも私は悪くないと思っている。実際、後半の終了近くになるとパフォーマンスが極端に落ちたり、足をつってしまったりする選手も多い。もう少し細かくインターバルがあればそういったことも防げるのではないかと思う。試合を通して高いパフォーマンスをするためには選手にとっても悪くない案だろう。

 試合数の制限

これについても以前から言われていたことではある。現在では最大で年間75試合ほどに出場している選手もいるが、これを55~60試合程度に制限させるべきだとしている。これはFIFAワールドカップなどの主要大会で満足なプレーができなくなることを防ぐためである。とはいえ試合数が多いからと言って、パフォーマンスが落ちていると感じている選手はそれほど多くないようで、選手の理解を得るには少し時間がかかるのかもしれない。

 サッカーが向かう未来は果たして…

現状では否定的な意見が多い、ファン・バステン氏が挙げたこれらの改革案。だが何かを変えるときというのは、定着するまでにはかなりの時間を要するし、それまでは反対の声も必ず噴出するものである。実際に規則変更するためには、先日、中田英寿氏が諮問委員に就任し話題になった、FIFAの諮問機関である国際サッカー評議会(IFAB)の承認を得る必要がある。今後の動向に注目していきたい。

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