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2016.10.19 » 7か月 前

名古屋グランパスに戻ってきた、闘莉王という名の劇薬


苦しみに苦しんだオリジナル10が1つ名古屋グランパス

オリジナル10の一つが苦しんでいる。オリジナル10とは、1992年のJリーグ発足時に加盟した10クラブのことだ。その中で、20年以上もの間J2リーグに降格したことがないクラブは現在3チームしかない。鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス(当時は横浜マリノス)、そして名古屋グランパスエイトだ。

先日、YBCルヴァンカップの決勝戦が行われ、見事に浦和レッズがガンバ大阪をPK戦の末下し、13年ぶりに国内タイトルを獲得した。両チームともオリジナル10に含まれるが、意外にもどちらもJ2に降格経験がある。あれほど毎年のように国内のリーグやカップ戦を賑わしている2チームでさえ降格したことがあるのだから、J1に居続けることがいかに難しいことか窺える。

そして今、名古屋が窮地に立たされている。いや、正確には立たされていた、と言った方がいいかもしれない。

17試合勝利なしのどん底にあったグランパス

8月27日時点では、クラブワーストとなる17試合勝利なしという不名誉な記録を作ってしまった。年間順位でも18チーム中16位という成績で、最下位との勝ち点差もわずか4。降格圏の真っ只中にいた。クラブは絶対に代えないとまで言っていた、今シーズンから就任した小倉監督を解任。アシスタントコーチのジュロヴスキー氏が指揮を執ることとなった。そして、昨シーズンまで名古屋でプレーしていた田中マルクス闘莉王の電撃復帰。身ごもった妻を祖国ブラジルに残してまで、名古屋の再建のために再びJの舞台へと戻ってきた。

かつて日本代表としても活躍したDFではあるが、彼ももう35歳。果たしてどこまでのパフォーマンスができるのか、疑問の声は少なくなかった。しかし、そんな心配も杞憂に終わる。

翌節の新潟戦。約8ヶ月ぶりにJのピッチに立った彼は、最終ラインから味方を鼓舞し続けた。タレントは揃っている。それでも勝てなかった名古屋に足りなかったものを、闘莉王は必死に補っていた。そして見事に勝利を飾る。試合終了後、ピッチ上で泣いている選手の姿が、長い長いトンネルの苦しみを物語っていた。

それからというもの、名古屋はあれほど取れなかった勝ち点3を順調に積み上げている。10月1日現在、まだ降格圏から抜け出したとは言えないが、ブラジルから帰ってきた闘将がJ1残留へと導くことだろう。監督交代、そして一人の選手の加入によって、ここまでチームは変われるものなのだろうか。

私は現在の日本代表に思いを馳せてみる。W杯最終予選では、格下と思われていたUAEにホームで敗戦するなど思うように結果が出せないでいる。ハリルホジッチ監督の更迭も噂されているが、今の日本代表に最も足りないものは何か。今シーズンの名古屋グランパスを見ていると、その答えも見えてくるのかもしれない。

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